不動産投資で減価償却すると節税になるの?
前のブログで減価償却について、解説しました。
今回は減価償却が節税になるのか改めて考えてみたいと思います。
減価償却はお金が減らないのに、経費にできるので
その分の税金が助かるというお話しをしました。
そういう意味では、節税になると言えるのですが、
不動産投資の目的として、節税をするという論調には
注意が必要です。
不動産投資の目的は、利益を出すことです。
利益を出すってことは、その利益には納税の義務があるのです。
確かに、建物価格分は減価償却が認められ、経費計上できるのです。
その分税金が助かるのは、その通りですが、仮に物件を売却する
ケースを考えます。
仮に、1億円の物件を10年間運用して、1億円で売却したと仮定します。
この場合の売却利益は
売却利益=売却価格ー購入価格=0円 ですから、
利益は出ていないように見えます。(売却の際の経費は無視します。)
しかし、10年間の運用で仮に1,000万円分の減価償却を
計上していた場合、その1,000万円は利益としてみなされるので、
1,000万円に税率が20%掛かれば、200万円の譲渡税を納める
必要があります。
さらに、この譲渡税は他の利益(不動産収支)との相殺ができないので
他方でマイナスだとしても、税金は免除されません。
というように、不動産投資で節税をするという考え方は
正しくありません。しかしながら、減価償却を計上することにより、
税負担を遅らせたり、平準化させたりすることは可能となります。
上手に利益をあげて、上手に納税しましょう。